基本動作

楽に滑るコツ!正しい荷重を理解することでスキーが楽に思い通りに動くようになる!

基本動作



荷重を間違って理解してしまうと、暴走したりうまくコントロールできなくなってしまいます。急斜面で安定して滑りたい。楽にカッコよく滑りたいと考えているなら、正しい荷重を理解していきましょう。

正しい荷重の考え

  • 荷重・角づけ・回旋
  • しっかり加重して

かじゅうという言葉は荷重と加重という主にこの2つの意味でスキー用語として使います。

この2つの荷重と加重という言葉の違いはネットで検索すると記事が出てくるので理解している人も多いと思いますが、この2つの「かじゅう」に対する考え方はどのように理解しているでしょうか?

念の為スキーの場合のこの2つの言葉の意味を簡単に説明すると、

荷重 = 自分の体重が乗っている状態

加重 = 自分の体重以上に力を加えること

です。

まずこの荷重と加重という2つの言葉の違いを理解できていないと、話が食い違ってしまうこともあります。

特に現場でのレッスンは文字ではなく口頭でのレッスンのため、丁寧なインストラクターであれば加えるの方の加重ですと聞かなくても説明してくれますが、そうでなければどちらのかじゅうなのかを生徒側が判断することになります。

 

ワンテンポ遅れた動作になってしまう・・・

3つの動作のタイミング

ターンをしていく上で必要な3つの要素として言われる荷重・角づけ・回旋という言葉ですが、ここでの荷重はターンをしてもしなくても正しいポジションが維持できているのが前提なので、ターンをするときにという意識が頭の中に残っているとワンテンポ遅れた動作に繋がってしまいます。

ワンテンポ遅れた動作というのはどういうことかというと、ターンをしようと思った時にすでに荷重が安定している人であれば、最初のアクションは角づけもしくは回旋です。

しかし、ターンをしようと思ったタイミングで荷重をしなければいけないと思っている人は、最初のアクションに荷重という元々できているはずのことを改めて行うような形になってしまうため、ワンテンポ遅れて角づけもしくは回旋の動作に移っていくという形になってしまうということです。

しっかり加重するという言葉の誤解

スキーは外力や道具をうまく使うことで効率良く効果的に滑っていくことができますが、加重をすることが基本になっていると外力と喧嘩したり無視した動作になってしまいがちです。

例えば、車や自転車に乗っているときにカーブに入るからといって加重をしますか?ハンドルを回すかもしくは傾けるだけですよね?

もちろん車や自転車とスキーは違う部分も沢山ありますが、だからと言って加重を当たり前のようにするのはちょっと違う気がします。

では、この言葉に対する考え方を掴んでいきましょう。

 

荷重に対する基本的な考え

荷重というのはオンラインスクールでも基本中の基本として大切にしていることで、屈伸のカテゴリーが荷重にあたります。

また、加重に関しては上級者になるまでは逆に邪魔になってしまう動作のため荷重はすべての基本として安定してできているべきであり、加重は必要になった時に必要な分だけ行うというのがオンラインスクールの考えです。

 

 

荷重は常に当たり前にできていること

荷重は基本中の基本

これまでお話ししてきたように荷重はスキーをする上で基本中の基本なので、スキーに対して良いポジションに乗り続けるというのは、ターンをしてもしなくても関係なく常にできているべきことだと思います。

フリースタイルなどで敢えてバランスを崩して魅せる滑りをしたり、ハーフパイプやキッカー等で飛んだりするときは敢えてバランスを崩すことを利用するときもありますが、一般的なスキーヤーや検定を目指しているような方に関しては、雪面状況によって崩されそうになるバランスを常に正しながら滑っていくことになると思います。

そして常に安定して荷重ができているポジションを維持することができていれば、ターンをしようと思った時にはスキーを回したり傾けてターンをしていくという動作にスムーズに入っていくことができます。

言葉で話すと凄くあっさりした説明で何気なく聞いてしまうかもしれませんが、常に安定して荷重ができているポジションを維持するというのは結構難しくて、だからこそ斜面状況に大きく影響されてしまったりバランスを崩したりしてうまく滑れないということが起こるわけです。

 

荷重・角づけ・回旋という言葉を聞くと、荷重はどこかのタイミングでリセットされているように感じませんか?

そう感じない方もいるかもしれませんが、僕はこれまでのレッスンでの経験や自分自身の滑りの意識としても荷重・角づけ・回旋という考えや意識は持っておらず、荷重は常に意識していること、そして角づけや回旋を好きなバランスで加えることでターンを描いていくと考えています。

 

2つの動作の順番

また、荷重・角づけ・回旋の順番についての議論を目にすることがありますが、オンラインスクールとしての結論を言うと①は当然荷重であり、順番というよりは前提としてできていることなので⓪であり、本来の❶は滑り方によって角づけでも回旋でも良いと考えています。

 

滑り方によってというのはどういうことかというと、例えば初心者の方は基本的にスピードを抑えて滑っていきますよね?であれば、次のターンに入っていく時に角づけはほとんど変えずにまずは回旋をコントロールしてターンに入っていく形になります。

スピードを出す上級者になると、スキーをズラす動作も少なくなりスキーを傾けてその傾きによるスキーの撓みでターンを描いて滑っていくので、次のターンに入っていく時には角づけをしてから必要なバランスで回旋をしていくということになると思います。

横滑りはどんなレベルの人でもすると思いますが、横滑りで滑っていて方向を変える時に角づけを先にしますか?まず回旋ですよね。

角づけに関してはスピードを抑えるために状況に合わせて行っていますが、切り替えのタイミングではまず回旋動作が先に行われているはずです。

角づけと回旋は滑り方によって順番と量は変わるということです。

荷重・角づけ・回旋に関してちょっと補足すると、順番として捉えるのではなく要素として捉えると良いと思います。

ターンに入っていく時に荷重はどうなっているか?角づけはどのくらいにしていくのか?回旋はどのくらいにしていくのか?というように、要素として捉えて把握しながら滑っていくようにすると、頭の中がスッキリすると思います。

 

加重は必要な時に必要なだけ

改めて確認しておくと、加重は自分の体重以上に力を加えることですが、僕の考えとして上級者くらいまでは加重は必要ないと思っています。

むしろ、初級者から上級者になりたてくらいの人は外力をしっかり感じながら外力を利用して滑っていくことに時間を使った方が上達が早く、動作も効率的でスムーズになると考えています。

特に男性の方は力があるからこそ無駄に加重してしまい、必要な動作のタイミングを逃したり必要な動作そのものができていなかったりします。

 

ますは、スキーに必要な動作を効率良くタイミング良く行っていくことが大事で、そのためには加重はしなくても上級者くらいまでにはなれるので、上級者のレベルに達したと判断できたら加重する滑りも取り入れてみるという感じでいいと思います。

ちなみに、加重が必要な状況はどういう状況かというと、主にリカバリーの時や不整地を滑っているときにタイミングやバランスを調整する時だったり、瞬間的にスキーの撓みを強くして走らせる時などです。

競技をやっている方はスキーを走らせる必要もありますし、そもそも規制された中で滑っていくためには加重による調整が結構必要なので、加重する技術も必要になってきます。

一般スキーヤーとしてコースを自由に滑れる状況であれば、上級者でも加重する必要はほとんどないと思います。むしろ加重するとそれだけ体力も使うので、すぐに疲れて長い距離を滑れなくなってしまったりもします。

ここまで話してきて理解できてきたと思います。

時間がある方はもう一度繰り返してみてみてください。理解度が深くなると思います。

 

実際にどう改善したら良いか

 

安定したポジションで荷重を確認する

荷重は基本中の基本と何度もお伝えしていますが、荷重が安定してできていないとその上で何をやっても崩れた動作になってしまいます。

例えば、X脚や後傾、ローテーションや極端な外向などもそうです。

オンラインスクールでお伝えしている荷重が安定してできているポジションは「背中の角度」の間違いでもお伝えした屈伸のカテゴリーの動画が参考になります。

「角づけ」と「回旋」の確認をする

どう使っているかというのは、タイミングや量のことです。角づけをどんなタイミングでどのくらいの量行っているのか。回旋をどんなタイミングでどのくらいの量で行っているのか。一つ一つの動作を分けて自分がどう動いているかを把握するのはレベルアップには大事なことです。

仕事でも自分の仕事のレベルを上げるために、カテゴリーを分けて細分化してそれぞれの業務がどうなっているか把握することって大事ですよね。スキーも全く同じです。

何をやるべきかの前に今何をどのくらいしているのかを把握する。そんな時間を滑りに行った日にリフト1本分意識するだけでも頭がクリアになってやるべきことや大事なことが見えてくると思います。

「かじゅう」という言葉をちゃんと判断する

かじゅうという言葉自体が間違っているわけではありませんが、間違って捉えてしまうことや自分の状態に合っていないのに取り組んでしまうと進む方向がズレていってしまいます。

今回話してきたことでだいぶ理解度が増したと思うので、今度かじゅうという言葉を聞いた時にはすぐに理解ができると思います。そして、その言葉に対するご自身の対応にも自信を持って行動することができると思います。

気をつけなければいけないのは、かじゅうという言葉を発信する人自身が理解していないこともあるので、発信する人自身が理解していないこともあるということに気づかなければいけません。

なんでもそうかそうかとすんなり納得するのではなく、その人が発信しようとしていることと使っている言葉にはずれがあることもあると心得ておくと、惑わされなくなるはずです。

加重は自分には基本的にやらなくてもいい

加重という技術自体も間違っているわけではありませんし、うまく使えれば滑りの幅も広がります。

ただ、力を使う動作なので疲れることもありますし、力を使うことによって動きがブレることもあります。のんびりゆったり滑ったり、気持ちよく流していろんなコースを滑りたいという場合にはほとんど必要ない動作なので、使うかどうかは自分で判断して決めてみてください。

加重を使ってみるとスキーの反応がまた違った形で返ってくるのもスキーの面白さでもあるので、たまにはやってみるのもいいと思います。

 

まとめ

  • 荷重は基本中の基本であり、常に安定したポジションを意識することが大事
  • 加重は必要になったときに必要な分だけ行うくらいでもよい
  • 荷重・角づけ・回旋は順番として捉えるのではなく要素として捉えるとよい

今回は荷重と加重という2つのテーマについてお話ししてきました。

内容的には理解してしまえばなんてことない内容ですが、やはり常に安定したポジションで荷重し続けるというのは難しいものです。

そして力を使えば使うほどブレやすくタイミングを逃した滑りになりがちですので、骨格を使うこと、そして外力と道具を使うことこのあたりをイメージして滑ってみてください。

 

スキーの荷重と加重の違いがわからなかったんです

初めてお会いした時に荷重と加重の違いがわからなかったんです、と話してくれたのはKさん。

今でこそyoutubeでスキー、かじゅうと検索すれば荷重と加重について説明している動画はたくさんありますが、数年前はかじゅうを説明している動画は少なくスキーインストラクターが説明するときも口頭での説明なので、今どちらのかじゅうについて話しているのか疑問が出たまま先に進んでしまったりすることも多かったようです。

Kさんはオンラインアドバイスを申し込んでくれましたが、その時に加重と荷重について説明しつつスキーに対してしっかりと乗っている上体が荷重、そして正しいポジションで圧を加えていくことが加重とアドバイスの中で説明していきました。

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