スキーシーズンを早々に終了する方も多い4月という時期ですが、春スキーだからこそレベルアップできる4つのトレーニングをまとめてみました!他の人が滑っていない時に一気に上達してしまいましょう!
春スキーのメリットデメリット
春スキーは雪が重くて滑らないですし、雪が黄砂などで汚れていたり木や土が出ていてスキーを傷つけてしまったりしますよね。暑くて汗もかくし、暖かいからこそスキーブーツが動き過ぎてしまって骨が当たって痛いとかもよくある話です。
ですが、デメリットは確かに多いけれどメリットもあるわけです。例えば雪が溶けているので雪面が柔らかいとか、スピードが出ないからこそ動きを落ち着いて確認できるとか、寒くないから凍えずにまったり滑ることができるとか、スキー上達にはもってこいの季節です。
ということで、今回は春スキーを楽しむために、春の雪だからこそできるレベルアップトレーニングを4つご紹介します!
春スキーに効果的なレベルアップトレーニング4つ
春スキーだからこそやりやすいというだけでなく、春の雪を活かしたトレーニングをご紹介していきますので、あえて難しいものもあります。簡単なトレーニングばかりやっていても上達はしませんからね!
では、一つ一つ説明していきましょう!
ズレ幅を意識して滑る
ズレ幅を意識して滑るというのは、ターン中にスキーがズレていく幅を例えば50cmと決めて滑るという感じです。
この意識をしたことがない方は、とにかくターンに入ったらスキーを押してそして回してと何をやるのかに集中して動いていますが、どのくらいやるのか?ということにも意識を向けなければコントロールの質は上がりません。
普段滑る時にはカービングでズレずに滑ることもあれば、スピードコントロールをしながらズラして滑ることもあると思いますが、その時にスキーがズレている幅がどれくらいかって気にしたことありますか?
ほとんどの方が滑る時にズレ幅まで意識して滑っていないと思います。
そして、春の雪は重いのでスキーをズラして滑ろうと思った時に抵抗が強いですよね?でもだからこそどれくらいスキーがズレているかというのが感覚的にもわかりやすいんです。
切り替え前後はズレ幅が変化する
ズレ幅を意識して滑るポイントは、切り替え前後はズレ幅が変わって当然ということを認識しつつ滑るということです。
ターン中から切り替えに入っていく時にはズレ幅が少なくなってスキーが一旦直滑降になって、切り替えを終えると今度は反対方向にズレていきますよね。
なので、切り替え前後はずれ幅が変わるのは当然です。
どこを見ればいいのかというと、切り替え動作をしていないターン中です。ターン中にズレ幅をある程度一定にして、一気にずれ幅がブレて広くなったり細くなり過ぎたりしないように、雪の感触を確かめながらズレ幅を一定にして滑っていきます。
例えば、ゆっくり滑るならズレ幅70cmくらい。まずまずスピードを出すならズレ幅45cmくらい。スピードをしっかり出すならズレ幅10cm以内。こんな感じです。
横滑りが難しい人にもおすすめ
ズレ幅をコントロールするという練習は横滑りができない人にもおすすめです。
レッスン受講生の中でも横滑りが苦手な方は多く、そんな場合にズレ幅をコントロールして滑るというのをその時の斜面状況に合わせて行います。
最初は簡単なズレ幅から、徐々位に難しくしていくという感じですね。するとだんだんと感覚を掴んで、最終的には横滑りもできるようになるという感じです。
スキーに対して荷重バランスを固定して滑る
片足スキーってありますよね。僕は片足スキーをレッスンですることはありませんが、考え方的に片方の足に体重を乗せ続けて滑るというのは凄くいい練習だと思っています。
ジュニアレーシングの子供たちがスキーを片方脱いで片方の足だけで滑っていたりするんですけど、実際片足スキーは細かい技術的なことを言うとちょっとやりすぎだと思っています。
もちろん、バランス感覚はかなり養われるんですけど、実際のスキー操作で必要な感覚というのは片足スキーをしてしまうとちょっとズレてしまうんですよね。
荷重を7:3にする
なので、僕がお伝えしているのは、荷重バランスを7:3くらいでそのバランスを維持したままずっと滑るという滑り方です。
例えば、右足7:左足3の荷重バランスで滑り始めたら、スタートからゴールまでずっとその荷重バランスを維持したまま滑り切ります。
もちろんどちらのターンもです。切り替えももちろんそのバランスのままなので、左ターンは右足に荷重が多いので滑りやすいですが、次のターンへ移る切り替えから次の右ターンは内脚に荷重が多い状態なので、なかなか難しいと多います。
でもこれが難しいということは普段からポジションがずれているということなんです。
最終的には荷重を5:5で滑れるようにしていくというのが僕がレッスンでお伝えしていることなので、いわゆる外足から外足に切り替えて滑っている方はこの練習がかなりやりづらいと思います。
最初は違和感でしかないと思います。でも、これが当たり前にできるようになってくると、片方の足から荷重を抜くことがなくなってくるので、外足から次の外足へ荷重を移す必要がなくなり、常に両足に乗って滑ることができるようになるんです。
春の雪はこの練習がやりやすいです。雪はちょっと重いですがずれてくれますし、スピードもそんなに出ないので、前後バランスが崩れにくいからです。
大人気のトレーニング
この荷重バランスを固定して滑るというのは、僕のレッスンの中でも一番人気くらいに行うレッスンメニューです。
ほとんどの方が片足スキーはやったことあるけど、と言いますが、あえて片足ではなく荷重をどちらにも残した状態でどちらかの足に荷重が多い状態を固定して滑るのは初めてです。
興味津々でスタートする練習ですが、始めてみるとどちらかが苦手な人も多く、これが滑りの癖になっているということを実感してもらうことができます。
ちょっとだけ難しいですが、自分の癖を感覚で理解するおすすめのトレーニングです。
スキージャンプくらいの超前傾で滑る
スキージャンプはそもそもスキーをVの字に開いているので、ちょっとポジションは違いますが、横から見たスキージャンプのシルエットくらいスーパー前傾を作って滑るという感じです。
スキーはどうしても後傾で滑ってしまうことが多く、なかなかレベルアップできない方や一皮剥け切れていない方のポジションはやはり前傾が足りないということがほとんどです。
なので、一刻も早く後傾からは脱出したいところですが、春スキーは雪が滑らないことが多いのでこの超前傾で滑る練習をやるチャンスなんです。
雪が滑らないのを利用して、スキーのテールが浮いてしまうくらいスキーのトップに頭が着くくらいのイメージで自分の体を前に倒してしまいます。
そのポジションを作ったまま、維持したまま滑るという感じです。
内足を前に出さないこと
大事なのは内足を前に出さないということ。この超前傾ポジションを作ったのにターンに入る時に内足を前に出してしまうと、内脚の超前傾が崩れてしまいます。
元々後傾になる方は、内足の処理がうまくできていないから後傾になってしまうというのが大きな原因の一つです。なので、内脚が前に出そうになったらグイッと後ろに引いて、常に両足が自分の後ろにあるように維持します。
常に両足が前傾ポジションを作れているというのが凄く大事なので、外足だけでなく内足もしっかり意識して行ってみてください。
笑っちゃいますね。
実際にやってみると笑っちゃうほど面白いポジションになります。
レッスンでもたまにやりますが、みなさん笑いながら楽しんでやってくれますね。
でも、笑いながらも難しいポイントがあったり、この練習でなるほどなー!と感覚を掴む方は多いので、遊び半分でいいのでぜひチャレンジしてみてください。
ストックなしで腕を固定して滑る
ストックなしで滑るのはレッスンを受けたことがある方なら誰でも一回はやったことがあると思いますが、腕を固定するというのをプラスするとどうでしょう?
腕を固定するというのがイメージできない人もいると思いますが、どういうことかというと、ストックなしで滑ると腕が自由に動き過ぎてしまったり左右非対称に動いてしまったりすることが多く、上体のバランスの取り方も含めてコントロールできない人が多いんです。
なので、例えばですが、前にならえの姿勢を作ったまま滑るという感じで、ずっと腕をフォールラインに向けたまま滑ったり、あえてずっと左に向けたまま滑ったりするんです。
勢いでスキーを回さない
ストックなしで滑るとどうしても勢いでスキーを振り回すように滑ってしまいがちですが、そうなると正しいコントロールができておらず、意味がありません。
なので、上体を安定させ腕も固定しつつ、下半身やスキーを丁寧にゆっくり動かしてコマ送りのようにターンを100等分するくらいの気持ちで少しずつ回して滑っていきます。
100等分するようなイメージで滑れるようになると、体の使い方もより細かく正確に動かせるようになってきますし、動きにブレがなくなるので滑らかな動作ができ、スキーに対してもしっかりと力が伝わってちゃんと動いてくれるようになります。
春スキーは雪の重さという部分が役に立ちますが、雪が重く動かしにくいからこそ体を丁寧に使っていくことに意識を持って滑ることができます。
なかなか最初は大変かもしれませんが、感覚を掴めばしっかりできるようになっていきますので、根気強く練習してみてくださいね!
体幹の動きがシビアに
ストックなしで滑ると、今までどれだけストックに頼っていたかがわかります。
タイミングを取るのが難しかったり、重心を移動するのが難しかったり・・・
でもそれは今までストックに頼り切っていたということなので、僕もレッスンでたまにお客さんのストックを取り上げて、はい、ここからはノーストックで滑りましょう!とやりますが、面白いもんですね。
やはりみなさん最初は腕や腰をブンブン振り回しながらスキーを動かそうとするのですが、いつもそうやって滑ってますか?と聞くと、そうではないと。
そこから、いつもどんなふうに体を動かしているかを確認しながら丁寧に滑ると、今まで以上に体の使い方に意識が向いて、細かく丁寧に体幹を使えるようになるんです。
ぜひ、試してみてくださいね!
春スキートレーニングまとめ
今回ご紹介したトレーニングはハイシーズンでも行えるトレーニングですが、春スキーというこの季節だからこそより強力な練習メニューになります。
春スキーでのケガには十分にご注意を
最後に、何度も言っているので頭に残っていると思いますが、雪が重いので怪我には十分に注意して滑ってくださいね。慣れない練習はスピードコントロールやスキーの操作そのものが不安定になるので、引っかかって転んで怪我をするリスクもあります。
100%の力で練習するのではなく、60%くらいで余裕を持って練習してみてください。
コメント