基本動作

タイミングがズレると逆効果!?スキーに大事な上下動の理解とその対策

基本動作



スキーでは自分からスキーに対して働きかける上下動という動作がありますが、上下動をうまく使うことで躍動感のあるかっこいい滑りができるようになります。

30代からのスキーヤーこそ上下動をうまく使っていきましょう。

 

レッスンで言われる上下動のイメージ

  • もっと上下動を使いましょう

上下動についての解説や必要性の話などはYouTubeでも検索すると沢山出てくると思います。もちろん現場のレッスンでもよく聞く言葉だと思いますが、上下動について、なぜ上下動が必要なのか?上下動をやるとどうなるか?を誤解している方もいるかもしれません。

 

自分以外の道具の力が大きく影響する

シチュエーションで変わる上下動

上下動をやる前に理解しておかなければいけない大事なことを理解できていない人にもっと上下動を使いましょうと言ってしまうと、意味のないもしくはあまり効果のない上下動になってしまいます。

 

例えば、ブランコでまだ揺れが小さいのに速く大きくしゃがんで漕ぐような動きをしたらどうなりますか?

例えば、大きなトランポリンでまだ飛べるほど弾んでいないのに、脚を沢山曲げてそして思い切りけって伸びるような動きをしたらどうなりますか?

上下動をやる前に理解しておかなければいけないことは、自分以外の道具の性能が大きく影響するということ、そして道具に自分がタイミングを合わせて動くことでより道具の性能を活かして楽しむことができるということです。

 

スキーの反応に合わせた動きをする

上下動に関しては、上下動という言葉や上下動が間違っているということではありません。オンラインスクールで配信するコンテンツでも、上下動を使った滑りを解説していますし、本来の上下動とはまた違った形でバリエーショントレーニングとして使うこともあります。

今回は主に普段の滑りの中で使っていく上下動の話になりますが、オンラインスクールではスキーの反応を予測して、その反応に合わせた上下動を使っていくという考えを基本としています。

これから滑っていく斜面は、滑り始めるまでスキーの反応はわかりません。たとえ2〜3本滑った斜面でも、時間が変われば雪質の変化や他に滑走している人の量によっても斜面状況はどんどん変化していきます。

そんな滑り出すまでわからないスキーの反応をしっかりと予測して、予測した反応に合わせながら、そして滑り出した実際の反応に合わせながら自分の動きを微調整して合わせていく。こういった動きがスキーには必要であり、上下動にも同じことが言えます。

 

スキーの特徴とレベル差

スキー板の特徴

昔のスキーに比べると大きく形を変えた現在のカービングスキーですが、カービングスキーとして確立してからは基本的な形は変わっていません。カービングスキーはスキーの撓みをコントロールして滑ることで、よりスキーが持っている性能や特徴を引き出すことができるスキーです。

もちろん、必ずしも沢山撓ませなければいけないわけではなく、撓みの他にもスキーによって硬さや捻れ具合が違うので、撓み以外の性能も合わせてコントロールしていくことで、どんなレベルの方でもどんな滑り方でも、スキーが持っている特徴は引き出されているはずです。

初心者と上級者の違い

上下動という視点で考えた時に、スキーの撓みをうまく使って滑るにはどうしたらいいでしょう?

またブランコやトランポリンをイメージしてみるとわかりやすいですが、漕ぎ始めとある程度リズムが取れた状態では、体の動く量やリズムが違いますよね。

始めは大きく動くと思いますが、でもいきなり速く動くのではなく、ブランコやトランポリンの反応に合わせてゆっくり動いていくと思います。流れができてリズムが整ってくると、リズムに合わせた速度でほんの少し動くくらいで、動きを維持できると思います。

スキーも同じことが言えますが、スピードがなく緩斜面で滑っている時などは、スキーの撓みも少なく反応が弱いので、自分から上下動を使っていくことでスキーの撓みを引き出して滑っていくことができます。

ある程度スピードが出てきたり、中斜面や急斜面で滑っているときはスキーも沢山撓むので、スピードがない時に比べて上下動は抑える形になり、さらにスピードが出てくると今度は撓みから生まれた力を吸収する「吸収動作」を使って滑るという段階へ進んでいきます。

これまで話した通り、スキーの撓みを使って滑っていくためには上下動プラス吸収動作が必要になってきますが、初心者の方は経験も少ないのもあって、スキーの反応を予測しながらスキーに合わせて動いていくということが難しいです。

逆に上級者の方はスキーに合わせた動きができるからこそ上級者であると言えます。

あなたはスキーの撓みを感じて上下動をしていますか?それとも、撓みの感覚を感じることなく上下動をすること自に集中してしまっていますか?

 

撓みを感じることで楽しめること

カービングスキーはスキーのトップとテールに比べてセンターがくびれている形状をしていますが、このサイドカーブにより滑走者の体重がかかることでスキーが撓みます。

そしてスキーが傾けば傾くほどセンターが押し込まれ撓みは強くなります。

 

スキーによってサイドカーブが違い、そして硬さや捻れの強度、構造や素材そのものが違うことで撓みからの反発具合も違います。

このスキーの性能と性能から生まれる撓み具合をコントロールすることで自由自在に滑っていくことができますが、スキーの性能を感じることなくなんとなくで操作して滑るより、性能を理解してコントロール具合を調整しながら滑ることは、スキーと会話しながら、そしてスキーを通して自然と会話しながら滑っていくことだとも思います。

そして、結果的に自分の今の心のあり方を感じることにも繋がるのではないでしょうか?

 

実際にシーズン中にどう対応したら良いか?

上下動のバランスを頭に入れておく

上下動をする理由は、今回お話ししたように「スキーの撓みを活かして滑っていくため」であり、また結果的に「ポジションを安定させるため」ということにも繋がります。

滑りながらスキーの上で上下動ができるというのは、良いポジションに乗ることができているということであり、また逆に言うと上下動を少しでも加えながら滑ることでポジションを安定させていくことができるということでもあります。

上下動をすることなく、または上下動をしたことがない方は「このポジションなら上下動ができる」という感覚がないため、バランスを崩す範囲が広く、結果的に不安定なポジションになりやすいと考えています。

本来のスキーの撓みを活かして滑るという理由に合わせて、ポジションを安定させるためということも意識しながら滑ってみてください。

また、お話ししてきたように状況や滑り方によって上下動の具合も変わるため、自分なりのパターンを「低速」「高速」「不整地」という3パターンくらいに分けて基準を作っておくといいと思います。

 

スキーの反応を予測し、感じながら滑ることを心がける

雪質やスピード、斜度や傾きによってスキーの撓みは変わり、反応も毎ターン違ったものが返ってきます。反応を感じ取るのに僕がやっているのは、朝一の横滑り。

他の動画でも朝一の横滑りは習慣にしているというのを話していますが、横滑りによってスキーの反応とそれに対応する自分の今日の状態も感じ取ることができます。

この横滑りで感覚を整えてからレッスンに向かったり撮影に向かいますが、その日のさまざまな場面、例えばリフトの乗り場降り場やコース間の移動などでも横滑りをしている場面では常にスキーの反応を確かめています。

連続ターンで流れのある滑りに入っていくとどうしても動きに集中力や意識が偏っていくので、この横滑りの時に意識を自分ではなくスキーや雪面に持っていき、反応を感じ取る時間に当てる、そうするとその後の滑りはスキーや雪面との調和の取れた滑りになっていきます。

 

まとめ

  • 上下動をする理由を理解しないまま行うと、意味のないものになってしまう
  • 上下動はスキーの撓みを活かして滑っていくためであり、ポジションを安定させるためでもある
  • 自分の動きにだけ集中するのではなく、スキーや雪面からの反応を感じながらそして対応しながら滑るとコントロールの自由度は高くなる

今回は上下動自体が間違いということではなく、上下動をよく理解していくためにお話ししてきました。

ゲレンデを見ていて凄いスピードで滑ってるけど何か危なっかしいとか、沢山動いてるけどなんかバランスが良くなく見えると感じることもあるかと思いますが、上下動を取り入れるとバランスやタイミングの取り方が上手くなるので、見ていて安心する滑りだったり自由に滑ってるなーという滑りになっていきます。

今シーズンは、動きだけに集中せず反応を感じながら滑ってみてください。

 

上下動の意味がわからずスキーインストラクターに怒られました

まさかですが、他のスキーインストラクターのレッスン中に上下動がわからないと話したSさんは、そのインストラクターに上下動も知らないのか!と怒られてしまったそうです。

 

びっくりしますよね。でも実際に上下動や重心移動、フォールラインや谷回り山回り、そして右ターン左ターンというスキー用語を知らないだけでバカにするスキーインストラクターはいるんです。

 

そんなスキー業界だからこそスキーが嫌になってしまってスキーをやめてしまう方もいますが、Sさんは運よく僕に辿り着きレッスンに来てくれました。

 

僕のレッスンではそもそも難しい用語は使いませんし、わからなくてもわかっておいた方がいい擁護に関してはちゃんと説明してます。当たり前なんですけどね。

ということで、Sさんには上下動は何のための動きなのか?スキーにどう必要な動きなのか?を説明してレッスンしていきました。

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