基本ポジション

内足は添えるだけは本当!?スキーで外足に対する本当のポジションの取り方とは?

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スキーのポジションの取り方や安定した滑走感覚を掴むためには、外足に対する凝り固まった考え方から脱出するところから始まります。現代のスキーの新しい基本ポジションを理解して無理のないポジションを掴んでいきましょう。

雑誌などでよく目にする言葉

  • 外足(外脚)にしっかり乗りましょう
  • 内足(内脚)は添えるだけ

レッスンや雑誌・DVD・動画などでよく見聞きする言葉だと思います。

 

マネージャーから言われた一言

思いがけないアドバイス

僕がインストラクターになりたての時、修学旅行生のレッスンでどうしてもコントロールができずにボーゲンで滑っている生徒さんに、外足にしっかり乗ろうと言いました。

でも、どれだけフォローしてもどれだけ実演してもうまく滑れないどころか、体に力が入ってしまってぎこちなくなってしまいます。当時の僕は外足にしっかり乗ろうという言葉がどう影響するのかをちゃんと考えたことがありませんでした。

苦戦しながらその生徒さんと一緒に滑っていると、遠くから見ていたマネージャーが一言。

もっと両足に乗ってねー

魔法の言葉でした。

 

日常生活に置き換えるとみえること

不安定なスポーツで内足を添えるだけでどうなるかイメージできますか?

例えば、電車に乗ってる時。空いている電車ですがあえて立って乗ってみましょう。内足を添えるだけでうまくバランスが取れるイメージができますか?

 

釣りをしているとわかることがあります。

川を横断するときや川の中に入って様子を見ている時。体は川の流れに対して横向きで構えていますが、川上の方の足は添えるだけで川下の方の足でバランスをとりながら耐えることはかなり疲れてしまいます。

場合によっては川の勢いに負けて転んでしまうこともあります。

 

外足に体重を預けるようなイメージを持って滑っている方は多いと思いますが、それだけだと上手くいかないことがあります。

きっと皆さんも同じような経験をされているのではないでしょうか?

 

基本的な考えを知る

オンラインスクールでお伝えしている外足にしっかり乗るも内足は添えるだけに対する考え方の基本は、ズバリ両足への荷重です。

どんな滑りをしたいかによって、またはどんな場面を滑るかによっても答えが変化するテーマですが、スキーを滑る上での基本は両足に乗ること。

土台がしっかりできていないと滑りたい滑りに近づくことも、滑りたいところを滑ることも難しくなってしまうと考えています。

 

逆にバランスが取れなくなってしまう人も・・・

まず、今の自分に必要かどうかわからない

外足に乗ってください、内足は添えてという言葉から皆さんはどんな動き(動的ポジション)のイメージを浮かべますか?

人それぞれ学んできたことが違えば言われた言葉からイメージすることも違ってくると思います。ちょうどよく改善される人もいれば、その時はなんとなく改善できちゃってる人もいます。

でも、逆にバランスが取れなくなってしまう人もいるということです。

 

もちろん、レッスン中であればインストラクターの考えや状況判断で適切だと思って投げかけると思いますが、では、雑誌や動画等で見聞きした方はどうでしょう?

自分の現状の滑りは関係なく、目にした言葉によってポジションを偏った方向へ誘導されることもあるわけです。

 

自分の滑りがどうなっているか確認することもせず、基本だからと自分に合うか合わないかわからないまま頭に落とし込んで実践することになります。

 

違う乗り物で見えてくること

スキーは歩行のように足を交互に進ませて重心移動をしていかないと移動ができないスポーツではありません。

同じ滑るスポーツでもアイススケートのように斜度がないところであれば、推進力を得るために両足を交互に動かすことで滑っていく必要がありますが、スキーは斜度を利用することでそこまでの重心移動は必要ありません。

例えば車をイメージしてみましょう。車が走っている時にカーブに入る前やカーブ中に外側のタイヤに重心を移動していますか?

内側のタイヤと外側のタイヤへの圧は変化しますが、外足へ重心を移動させるような動きはありません。

 

車の場合、人間のように関節が沢山あってブレるということがないというのが大きく違う点ですが、では、人間も車のように上体を安定させてブレることがなければ極端な重心移動をする必要はないのではないでしょうか?

ちょっと乗り物を変えて自転車に乗ってみましょう。自転車の場合は足を交互に動かしているのですが、ここでは大きく二つの乗り方に分けてイメージしてみます。

 

自転車に乗っているときに皆さんはどういう形で自転車を漕いでいますか?

サドルに腰を安定させて座ったまま脚だけ動かしてペダルを漕ぐ、それとも、サドルから腰を浮かせて一漕ぎ一漕ぎ体重を乗せてペダルを漕ぐ、どちらでしょう?

いわゆる後者は立ち漕ぎですが、この二つの漕ぎ方をイメージしたときにもう勘の良い方は話が繋がってきたと思いますが、立ち漕ぎは外足に重心を移動させて漕いでいくので、スキーでいう外足に乗るタイプです。

逆に座り漕ぎの場合は腰を安定させて重心移動をほとんどせずに脚の力だけでペダルを漕いでいきます。スキーでいう両足に乗ったまま滑っていくタイプです。

 

皆さんは自転車で移動するときに立ち漕ぎを基本としますか?それとも座ったまま漕ぐ座り漕ぎを基本としますか?

どちらも使うことは使いますが、長時間体力を効果的に使いながら漕いでいくのは、一般の人もプロの自転車プレーヤーも変わらないですよね。

 

スキーも同じことが言えると思います。

レーサーだから、上級者だから、初心者だからと、レベルは関係なく基本は基本。それができた上での応用。

両足に乗って滑るというのがまず基本としてできているべきで、外足に乗るというのはシチュエーションに合わせた応用ということです。

 

両足荷重は現状把握も兼ねている

そして両足に乗ることでわかることあります。

それは両足に乗ったまま滑り続けることができるかどうか=バランスをとる能力がどれくらいあるのかを把握することに繋がるということです。

車の例えでも話した通り、人間は関節が多く複雑に動くことができる代わりに、バランスも崩しやすい形をしています。遠心力や重力や推進力などの力が加われば加わるほど、バランスも崩しやすくなるということです。

バランスを崩さないように支えているのが、筋肉や腱です。

詳しい人体の構造に関しては専門ではないのでここではイメージ的な話にとどめますが、人間は骨格という基本的には変えることができないものに対して、筋肉や腱などの鍛えることで能力を変化させることができるものの2タイプのものを持っています。

この骨格と筋力・腱をどう扱っていくか、その能力を両足に乗ったまま滑り続けることで把握していくことができるということです。

 

両足荷重という基本ができる人は、真っ直ぐ滑るときにどうしても腰が左に向いてしまう・立っているだけなのに膝が内側に入ってしまう・両足に乗ったまま横滑りができない・ターン中にスキーのトップが開いてしまう・バーンが荒れてくると滑れなくなってしまう、という問題は解決済みです。

 

もちろん生活習慣からくる多少の左右差は出ますし、あまり神経質になりすぎるのも疲れてしまうのでその辺の具合は個人の判断になりますが、どんな状況でもどちらの足にも荷重を移せるポジションを体得できている人は、基本ができていると言ってもいいのではないでしょうか。

 

シーズン中の対策

では、これまで話してきたことを元に、シーズン中にどう自分が判断したり行動したらいいのかを参考程度にお伝えしてみます。

 

毎回リフト一本練習する

オンラインスクールの屈伸のカテゴリーで解説していますが、両足の踵重心(つま先はバランスをとる)・親指側だけでなく小指側にも乗る・つま先・膝・股関節の向きを合わせるそれぞれのポイントを滑っている最中に維持し続けるという形です。

両足の精度を高めていくために、さまざまなトレーニングメニューで鍛えていきます。オンラインスクールで配信している本編の動画をご紹介します。




 

アドバイスに納得できなかったらスルーする

そもそもですが、外脚荷重という考え方はスキー団体の教本などに書かれたものであり、教本をベースに雑誌やDVD・動画または現地のレッスンでインストラクター等が発信しているという流れです。

たまに独自の理論でレッスンを展開したり発信したりする方もいますが、そうではなくそう教えられたから・そう教えるように教わったからという原理原則を自分で考えずに発言している方もいるので、アドバイスを鵜呑みにしないようにすることが大事です。

ちゃんと納得できた場合、今の自分には必要なんだなと理解できた場合は楽しんで実践してみてください。

 

まとめ

  • 外足に体重を移して滑ることはバランスを崩していること、バランスをとり辛くしていることである
  • オンラインスクールでは両足荷重を基本としている。本来スキーの技術論はそうであると考えている
  • 違う乗り物に置き換えたときに見えてくるものある
  • 両足に乗るというのは自分の今を確認するものでもある
  • シーズン中に両足に乗る時間を定期的に作る
  • ちゃんと納得した上で外足に乗る滑りをする

誰かにスキーを教わったことがある方やスキーの技術論を目にしたことがある方ならほぼ間違いなく聞いたことがある言葉ですが、今回お話しした内容を頭に入れておくと、迷うことなく芯を持って向き合うことができるはずです。

 

今までのスキースクールでは誰も教えてくれませんでした

レッスンに受講された方からのご意見をいただきました。

Aさんのスキーのレベルは上級者。どんな斜面でも滑れますし、スピードも結構出しても安定して滑ることができていましたが、レッスンに受講された目的が内足の使い方がどうしたらいいのかわからない、とのことだったので、僕が基本としているポジションからレッスンを始めていきました。

これまでいろんなスクールやデモンストレーターのレッスンに入ってきたようですが、両足に乗るという感覚を基本ポジションとして滑るのは初めてだったようで、レッスンの始めからびっくりしていました。

 

感覚を掴むのは早かったです。基本動作の確認、内足への荷重の感覚、そして内脚の使い方に伴った上体のポジションや重心移動の方向などを一つ一つステップで理解していきながら、どんどんとものにしていきました。

 

レッスン終了後、いやー感動しました!こんなこと今まで誰も教えてくれなかったので内脚をどうしたらいいのかわからなかったんですけど、今日のレッスンで全部繋がった感じですし、滑っていて今以上にスキーに乗ってる感覚が強く、今までにない上達ができたと実感してます!とコメントをいただきました。

 

 

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