スキーでシェーレンになってしまう方の原因は、ズバリ内足にあります。外足が開いてるからじゃないの?外足がちゃんと踏めてないからじゃないの?という方、いえ、内足なんです。
スキーでよく聞くシェーレンとは
まず先にシェーレンという言葉に馴染みのない方に説明すると、シェーレンとはスキーのトップがテール側よりも開いた状態、逆八の字みたいな状態を言います。
レッスンを受けると必ずシェーレンは直すよう言われるくらいテーマに上がることですが、今回はこのシェーレンの改善方法をお伝えしていきますね。
勘違いしているシェーレンの原因
では、スキーでシェーレンになってしまう原因を解説していきますが、もうシェーレンになってしまう原因をお話しした時点で、え?そうなの?とびっくりする方もいます。
なぜなら、シェーレンは外足が開いているから、外足がうまく踏めていないからと思っている方が多いからです。
え、そうでしょ。と思った方、違うんです。シェーレンの原因は外足ではなく内足にあります。
シェーレンの本当の原因とは
原因は内足にあると話しました。
ずっと外足が原因だと思っていた方にはびっくりするような発言だったと思いますが、本当の原因は内足にあります。
昔からのスキーの指導法
では、内足がどう影響しているのかというと、昔からスキーは外足にしっかり乗って内足は添えるだけという指導法が基本とされていました。
この外足にしっかり乗って内足は添えるだけというポジション、荷重バランスで考えたらどうでしょう?
外足に8割くらい乗って内足は2割くらいのイメーいでしょうか。細かい割合はどうにしても大体そのくらいのイメージだと思います。
ということは、外足にたくさん乗っている代わりに内足は軽くしか体重が乗っていない状態を自ら作っているということです。
でも、昔からスキーの指導法は外足にしっかり乗って内足は添えるだけということを提唱しているので、誰も疑うことなく外足にしっかり乗って内足は添えるだけのポジションで滑っているのですが、まさに原因は外足にしっかり乗って内足は添えるということにあります。
独自の指導法
僕がレッスンで行っている指導法の基本は、両足に乗るということです。
もう最初から違いますね。基本が違います。
昔のスキーと今のカービングスキーでもこの両足でのるという考えは変わりません。
用具が違うからとかそんなことはなく、いつの時代もスキーは両足で乗るのが基本だと思っています。
レッスン受講生でシェーレンになる方はいない
そして、僕のレッスンに入ってくださる方で、僕の指導法を実践している方でシェーレンになってしまう方は1人もいません。
なぜかわかりますか?
単純明快です。両足に乗っているからです。
スキーは用具と雪と外力、そして自分というさまざまな力をコントロールして滑っていくスポーツです。
外足と内足で同じ形状の同じ重さのスキーを履いているのに、体重のバランスの差があったらスキーはどう動きますか?
外足と内足で違う動きをしますよね?
内足を誤魔化して滑っている
では、違う動きをしてしまうのをどうやって綺麗に揃えて滑っているのかというと、内足を外足に寄せるようにして、スキーが内側に開かないように誤魔化して滑っているんです。
いやいや、誤魔化しているんじゃなくてそれが基本でしょう?
そう思う方もいるかもしれませんが、切り替えからターンに入っていくタイミングで、内足をその場で回すことができないから、外足に切り替えてしまって内足の荷重を抜いてますよね?
この切り替えの時点でもう誤魔化してるというのが僕の意見です。
本来の話をします。本来、スキーは切り替えのタイミングでも両足にしっかりと乗ることが大事で、それができると内足はその場で回すことができます。
そうすると、内足に体重も乗っているから外足と内足で同じ動きをしてきます。
外足と内足が同じ動きをしたら、スキーヤーはどんな感覚ですか?楽ですよね?コントロールしやすいはずです。
本来、ちゃんと両足に乗っているほうが楽ですしコントロールしやすいのに、無駄に外足に体重を移動してしまうから内足がコントロールできなくなっているんです。
いや、外足にしっかり乗るためには内足の荷重を抜かないと・・・
いやいや、最初から両足に乗っていればバランスを崩すことはありません。
外足だってちゃんと撓んで綺麗な弧を描いてターンしてくれます。
スキーの基本から変える
今回は改善方法ではなく、基本を見つめ直すということが答えです。
スキーは雪面からの抵抗とのバランスをとりながら滑るスポーツなので、外足と内足で荷重バランスが違えば、外足と内足で違う動きをしますし、内足はターン内側へ持っていかれる形で開いてしまいます。
それが、最初から両足に体重が乗っていれば、内足が軽くないのでターン内側へ持っていかれることはありません。
両方のスキーのトップが常に同じスタンスをキープしながら滑ることが可能です。
もう一つの基本動作
そして、忘れてはいけない基本動作も必要です。
現代のスキーはカービングスキーと言って、スキーヤーの体重が乗っていてスキーが傾いていればスキーが撓んでターンをしてくれます。
さらに外力が加わればターン弧を小さくすることもできますが、それだけでは本当に自由な滑りができるわけではありません。
スキーに必要な回すという動作、いわゆる回旋動作を行うことによってさらに幅広いターンコントロールができるようになるわけです。
この回旋操作は、車のハンドルのように内足を引いて外足を前に出すように回していく操作です。
そして、回旋操作を行う上でできていなければいけないポジションが両足に乗っているということです。
もし外足にたくさん乗って内足は添えるだけだったら、内足を引くという動作がかなりやりにくいはずです。
むしろ逆に内足を前に出す動きをしている人がほとんどです。
基本の基本から徹底的に組み立て直すことで、シェーレンという現象は起こらなくなります。
シェーレンを直す方法まとめ
ということで、今回はシェーレンを直す方法をお伝えしてきました。
途中でもお伝えしたように、直すではなく見直すというのが答えです。
厳しい言い方ですが、シェーレンが出てしまう人は基本ができていません。
上級者でもシェーレンで滑っている方を見かけますが、とりあえずバランスを取って滑っていても基本はできていません。
なので、ターンコントロールの幅が狭くバーンが荒れてくると滑れなかったりバランスを崩したりするわけです。
スキーで大事な基本は、両足に乗るです。
基本からしっかり積み上げていきましょう!
無意識で行われている動作
実際にレッスンを受講してくださった方で、シェーレンを直したいということでレッスンを始めていきましたが、とあるポイントがネックになっていました。
それは、無意識に内足を前に出してしまっているということでした。
僕は客観的にみるのですぐに内足が前に出てしまっていることをチェックできましたが、本人に伝えたところ意図的にやっているわけではないとのことでした。
でも、本当に多い事例で、ターンしていく上で意識するのはどうしても外脚になりますし、外力が来るのは外脚なんですよね。
なので、内脚に対して意識を持って操作していく感覚を持っていない方が多く、結果的にこの受講者さんのように無意識に動作が出てしまっているということが起こります。
レッスンでは、シェーレンを直すというより基本からスキーの動作をレクチャーしていくという流れで進めました。
すると最初からびっくりしていたようで、基本をこんなに丁寧に教わったことはないし、今までの滑り方と全然意識が違うということで驚いていました。
結果的に、レッスン開始から60分でシェーレンはなくなり、しっかりと足をそろえた状態で滑れるようになっていきました。
この方のように、根本を間違って捉えている方は多いので、基本からしっかり組み立て直すというのがシェーレン脱出の一番の近道です!
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